【Driver's License】   [ 月ふたつ  作 ]

運転免許は実にeasyだ。特にコロラドでは、Denverに住むのでなければ生まれて初めてハンドルを握った私でも2ヶ月弱でとれた。たぶん1か月でも取れたがちょっと用心したのである。免許センターみたいなところへ行き、交通ルールブックをもらう。勉強してきたら申し込みをし、筆記試験を受ける。「日本人ですか?日本語のテスト用紙はないですよ。辞書は使っても構いません」
 辞書に例えカンニングペーパーを忍ばしてあったとしても係員は日本語は読めないのでわからない(笑)25題中8問まで間違えてもいい。四択問題でその場で○つけしてくれる。合格ならその場で仮免を発行してくれる。手数料は合格してから請求される。つまり、不合格なら手数料は取らないのだ。

 日本の運転免許取得がいかに行政側の搾取に都合のいいようにできているシステムかを思い知る。よくぞ国民が黙って従ってるもんだと思う。アメリカの友人に言ったら「なぜ抗議しないんだ? 不合格でも手数料が取られるなんて、暴動もんだぞ」と言われた。ほんま、なんで誰も不満の声を上げないで従っているんだろう・・・・

 仮免許は、IDカードとして認められ、これで一人でお酒も買える。運転免許の必要性を私が感じたのは、リカーショップで断られたからだ。パスポートを持ち歩いて買い物するのはやはり不用心。そうなると、secondの意味でもIDカードとして運転免許証が必要になったからだ。

 ね? 私らしいでしょ? お酒買うためにLicenseが欲しいと思ったわけだから(爆)

 仮免許があると、助手席にライセンス保持者が同乗する条件で公道を運転することが許可される。日本だと何やら表示を出さなければいけないなどややこしいでしょ? でも、こちらだと高速道路だって仮免許でも運転してもかまわないのだ。

 さて、ある程度運転に自信がついたら実技テスト。自分の車で助手席に係官が乗って公道を言う通りに運転して町を一周する感じで戻ってくればテスト修了。ここで矛盾に気付いた人はエライ!
 そうなのだ、実技テストを受けるのに、なんで自分の車が出てくるわけ??
これが最大の矛盾なのだ(爆)。免許がない人が自分の車を持ってる、持ち込めるということの矛盾。私の場合はすでに夫が国際免許証で車が買えたので、それを私が使って試験を受けるわけだ。
 アメリカでは16歳から免許が取れるのだ。ニキビだらけの子がいっぱい受けに来ている。彼らだって実技試験になると自分の車で受ける。つまり、親の車で試験場に来て、その車を自分が運転して実技試験に挑むわけだ。
 じゃ、教習所は??
 Denver以外では、大人相手の自動車教習所はない。私たちの住んだ町にもそんなものはなかった。高校にagentが売り込みに行って、個人的にインストラクター契約をし、man-to-manで教習を受けるのがこの町では多いそうだ。最も大抵の子は親から適当に習うので、個人契約をするのは裕福な家庭ということになるそうだ。大抵の家は子供が中学生になる頃に親が車の運転を教えるわけだ。実際、運転練習できそうなところは山ほどある。農場を持ってるような家はもちろんのこと、大学の駐車場やハイキングコースの未舗装の道など。私もハイキングコースの中の未舗装の道をずっと運転してハンドリングなどを覚えた。
 実技テストにクランクもS字カーブもない。車線の真ん中を走っていいし、縦列駐車もバックで車庫入れも必要がない。実際、1年運転していてバックの車庫入れしたことはなかった。縦列駐車もする必要がない。スーパーの駐車場はみんな斜めにラインが入れてあって、そのまんま突っ込む感じでパーキングが一般的なのだ。そういえば、デンバーとその町、日本食料品店の前だけが日本らしく(爆)パーキングがやったらと狭く、そこのところだけ夫が代わってバックの車庫入れをしていたっけ(笑)。
 あの町も人口が増え、だいぶ、交通事情も悪化したそうなので、もう少し厳しくなってるかもしれない。デンバーでは、市街地では結構厳しいかもしれない。取るならやっぱり田舎で取ろう・・・はお国が変わっても同じかもね。私のような独学では無理だろう。Los Angelesやニューヨークなど大都市になったら、もう私のようなやり方では受からないと思う。
 とにかく、免許証には、なぜか瞳の色、身長、体重を書くことになっている。特に体重はポンド表示なので、kg表示のほぼ2倍の数字になってしまう。これ、嫌や〜(^_^;)
 瞳の色は、brownと書かれてしまった。おひおひ、日本人だよ〜!!
 免許証の裏はdonor cardになっている。こういうところも徹底されていた。
 さらに、5年間は有効です。コロラドのマークも入るので(コロラドのナンバープレートと同じマーク、山脈というか山肌がモチーフになっている)、Utah州(アーチーズ・ロックがモチーフ)、テキサス州(ロデオ風の馬)なんかはデザイン的にも良いかも。

ただし・・・最近、この町は人口が増えて、どうも筆記テスト、実技テストともに、だいぶ厳しくはなったらしいです。

《 完 》
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